沖縄の植物といえば、皆さんは何を思い浮かべますか?美味しいマンゴー?綺麗なハイビスカス?それとも、貴重なマングローブ?
実はマングローブは、植物名ではありません。アフリカや東南アジアのような熱帯・亜熱帯の海水に浸る土地にあるヒルギ科やクマツヅラ科、ハマザクロ科の木々で構成される森林全体の事を指していう言葉なのです。限られた場所でしか見られない貴重なものなのですが、近年東南アジアの方で海老などの海洋資源を採るために伐採が進んでいて、世界的な問題になっています。
なぜ塩水の中でも生きていけるのかという事は詳しくはまだ解明されていないのですが、生活していく中で海水から塩分を取り除き、真水を成長に使う能力を得る事に成功した、自然の素晴らしさを感じられる森林となっています。
そんな中、沖縄のマングローブは伐採されず大切にされており、綺麗な状態のものを見る事ができます。
森林の中では、動物も生息しています。大量の魚、カニなどの甲殻類、巻貝や二枚貝などが樹木の落ち葉や種子などを食べて生活していて、変わったものでは木の幹や支柱根の中で生活する生き物もいます。このような理由から、「生き物のゆりかご」と呼ばれる事もあります。これまた神秘的な響きですよね。
津波被害を軽減する「自然の防波堤」としての役割もあり、沖縄に生息しているものもその効果を期待されて植えられたものが元となっています。
観光の際はカヤックで巡るツアーなども用意されており、自然の神秘に溢れた光景を見る事ができます。
本島では奥川や二見干潟、州崎水路など様々な場所で見る事ができますが、その他の場所では鹿児島や奄美半島、種子島などに少しと本州にわずか、世界でも熱帯林のほんの1%程度しかない希少な森林なのです。
もし暖かいところへ出かけたくなったら、貴重な自然を感じつつ環境問題に思いをはせるのも良いかもしれません。